当教室の対面レッスンの生徒。中学受験を控えている、Aちゃん。
中国語のレッスンでは、以前より歌を歌うことを恥ずかしかったり、中国語の閲読の声も少し小さくなることが増えました。Aちゃんに言わせるると、
「私も、大人になった。」
だそうです。
(Aちゃんのお宅の家庭菜園で作っている、ゴーヤは苦いので、食べられない!子どもだから無理!とのこと)
話は、戻りますが・・・
確かに、レッスンを開始した小学2年生の時と比べたら、成長しました。大人になりました・・
そんな、Aちゃんのお母様が、レッスン終了後に私に対して、質問してきたこと。それは・・
中国語を続けてきた影響ですか?
どうやら、日頃の生活の中で中国語学習の影響が出ていると思うことが多いとのこと
中国語学習より先に、英語学習を開始したAちゃん。
これまでは、話して楽しい英語学習だったようですが、最近、英語能力検定4級に挑戦して合格したようです。
英語を本格的に学ぶこととなり、中国語への影響(学習時間などが確保できないなど)は少し減ったりすのか?と思っていたのですが、今のところ英語とまではいかないものの、中国語も楽しく続けられています。
そんなAちゃんは、最近中華料理店に食事に行ったらしいのですが、その際に店内の中華料理食材が置いてあったのでじっと見つめて
「多分、スイカの種だよ。」
と、ご両親にお話しした時のこと。スイカの種には、あまり見えないビジュアルだったので
「スイカじゃないんじゃない?
と、答えたそうです。すると、裏側に西瓜と書いてあったのを指差して
「西瓜って、書いてある。習ったもん。」
と言って、そのタネを食べてみたいと言って購入したそうです。
お味はというと
かおり先生も味見をしたのですが、八角の味がしたので
「Aちゃん。これを、食べられたの?」
と聞いてみると、
「ちょっと苦手だなと思ったけど、お父さんは好きらしい。」
と、日本語で答えました。
好む味も、国によって違って面白い
結果的に、苦手な味だったことについて、Aちゃんは肯定的に捉えていました。
そのため、
「Aちゃん、すごく良い勉強になったね。中国語をみんなの前でペラペラ話せることは、最終目標。そのことも大切だけど、日頃の生活の中で、何に興味を持って、どんなことを考えて、考えただけではなく行動してみる。そして、その行動が失敗しても、成功しても、これで良かったんだと思える心を持つことも中国語がうまく話せることと同じくらい大切。あなたは、その大切なことが、自然にできるから素晴らしいね。」
そんな話を、レッスンの最後にしました。
レッスン終了後
お母様から、Aちゃんの近況を手短に教えていただきました。
最近、フィリピン・日本人のミックスルーツのお友達(タガログ語・英語・スペイン語が話せる)と親しく交流しているようです。
「英語しかわからないから、英語で話してよ。」
とは、言わないようです。タガログ語もスペイン語も理解しようとして、必死に「〇〇は、タガログ語で(スペイン語)どう言うの?」と、英語で聞いたりしているようです。
英語以外の言語。たまたま、Aちゃんは、中国語に先に出会ったわけですが、学童期から中国語を学習しているからこそ英語以外の言語にもそれぞれ面白いと思える何かが隠れていることを、素直に臆せず知ろうとするのでしょうか?
そんな、話を聞いて嬉しく思いました。
こればかりは、学年が上がることに見受けられなくなる様子の1つです。積み重ねがないと、外国語(日本語以外のすべての言語)を肯定的に捉えることは難しい。ましてや、間違えを恐れずに質問したり、言ってみたりはなかなかできないと思います。
語学力とは、別の才能と言っても良いかもしれません。
楽しく・たくさんアウトプットすることが今の目標
中国人の講師とアウトプットする機会が、少ないAちゃんではありますが、6年生らしい発言が目立ちます。例えば・・・
「中国語も英語と同様に大事な言語。周りの人はまだ習っていないけど、早く始めて良かった。」
そんなことを、声に出して話すことが度々あるほどです。
中国人の先生との交流をもう少し積極的にできると、尚のこと良いのですが・・ ちょっと、恥ずかしがるようになりそれが今は叶いません。(残念)
しかし、 日頃から外国人との関わりも多く英語を話す環境にも恵まれています。また、Aちゃんは日頃のレッスンでは、「わからない」とは言いたくないため、本当にわからないことに出会うと、知っている中国語を全部言い尽くしてその中から、答えを探そうとしたりするなど、自分に負けたくない!心が人一倍強いです。
そんなAちゃんだから、中国語での交流の機会があったときは力を発揮できるのだと確信しています。
さすがは、6年生。社会問題に対しての疑問なども、質問してきます。
都道府県名を一通り中国語で言えるように学習している時などは、
「先生、北海道の北方領土のことを小学校の社会で習ったよ。今まで、考えたことがなかった。」
と言ってみたり、
主要国の国名を、学習している時のこと。
「香港、台湾は国なの?どうして、ロシアとウクライナは戦争をやめないの?」
などなど。
6年生らしい社会問題に対する質問が、日本語で飛び交います。どうやら、私に対しては、わからないことはなんでもぶつけてみよう!と思っている様子。
限られた時間の中でもわかりやすく説明
中国語を指導することが、私の最優先事項ではあります。しかしながら、こういった質問を受ける以上はやはり、状況によりますができるだけ短めの言葉で考えなどを伝えることを、レッスンの時間内でおこなっています。どうしても、時間内で質問に答えられないときは、改めて私の宿題として自宅に持ち帰り、次回に説明ということもあります。
ただ、教えるというよりは共に問題を考えるというスタンス。子どもたちから、学ぶことは考えているよりもたくさんあるばかりではなく、的を得ています。
中国語を通して、自己問題解決能力を高める
周囲の人に対して、質問を臆せずしたり、共に積極的に疑問を解決しようとすること。
その機会を、多く作ってあげたいですね。もっと言えば、間違えることを恐れない心も同時に育てていく義務は世間ではなく、社会にあると思います。